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少人数私募債の発行手続き

<少人数私募債の発行手続き> 1、少人数私募債とは?

少人数私募債とは、会社法で発行が認められた普通社債の一種で、中小企業が親族や得意先など身近な少数の方々から直接、事業資金を募るために発行する社債をいいます。 

この少人数私募債の返済は期日一括償還であり、それまでは毎年、利息のみを社債の引受者に支払います。 



2、少人数私募債の条件について

i.発行会社は法人でなければならない
 
法人とは、株式会社・(特例)有限会社・合同会社・合名会社・合資会社等のことです。
 
個人事業主は法人ではないので、社債の一種である少人数私募債の発行はありません。


ii.社債権者(社債の購入者)が50名(法人、個人双方合わせて)未満であること

  社債の購入者が50名以上になると、金融商品取引法によって発行手続きの容易な少人数
私募債ではなく般の社債に分類されてしまいます。

そうすると、有価証券届出書等の煩雑な行政手続が必要になるので、注意してください。
 
 また、少人数私募債を連続して発行する場合、過去6ヶ月以内に発行している場合には、
6ヶ月で通算して、社債権者が50名未満であるかどうかの判断をします。

これはつまり、短期間で細切れにして規制を逃れるのは無理だが、6ヶ月を過ぎれば、
再び49名まで募集できるということです。


iii.原則として社債権者(社債の購入者)に機関投資家が含まれないこと

  機関投資家とは、「金融・投資のプロ」すなわち銀行・信用金庫・信用組合・證券会社等を
指します。

 仮に機関投資家が社債権者に含まれる場合、「私募債」でなく 「公募債」として
分類され、様々な行政手続(届出義務)が発生してしまいますので、注意してください。
 
※一定の要件を満たせば、社債権者に機関投資家が含まれていても少人数私募債を発行できる場合があります。

iv.社債1口の金額が、発行価額総額の1/50より大きいこと

  会社法では、社債の発行口数が50口未満ならば、「社債管理会社(=銀行・信託
会社等)」を設置しなくて良いとされています。

 仮に「社債管理会社の設置」をすると多大なコスト負担が発生してしまうので、社債
1口の金額が、発行価額総額の1/50より大きくることが大幅な事務コストの削減
につながります。

  具体的には、社債1口の金額が100万円ならば4900万円(49口)まで、1口
の金額が200万円ならば9800万円(49口)まで、というふうに発行すれば社債
管理会社の設置は不要となります。

3、 少人数私募債の会社にとってのメリットは?


(1) 期間中は私募債の引き受け人に利息を支払うだけでよいので、元金分資金繰りが楽になる!

 まず、会社にとって頭を悩ます資金繰りの面において借り入れをした場合と大きく差が生じます。

  これはどういうことかというと、銀行による借入れは毎月元金と利息を支払わなければいけませんが、私募債であれば、償還期間が到来するまでは利息を支払うだけですから、元金分だけ資金繰りは楽になるということです。

 但し、少人数私募債も償還期間を経過すれば、お金を一括して返済しなければいけませんので、「元本を返さなくてもよい」という甘いことは当然ありませんのでご注意を。

 また、親族に対し発行した場合等は返済を行わなくても実質的に償還期間を延長するという方法で、借り換えが可能です。これは、形式的に一旦返済してまたすぐに借りる、ということです。こうすれば、借入れというよりもむしろ会社の資本金のように使うことができますので相手の了承さえ得られていればかなり便利です。

(3) 金融機関の信用を高め、融資の審査が有利になる!

 大企業はともかく、創業間もない中小企業などにおいては、信用もなく、無担保や無保証で満足できる借入れは難しいです。
 もし多額の借り入れが必要なら、不動産などの物的な担保が必要となります。

 しかし、少人数私募債であるならば、無担保、無保証ですので、このことを解消することもできます。

 さらに、少人数私募債以外の方法でお金を借りたくなった場合、融資の審査が有利になることが考えられます。

 例えば、少人数私募債で限界を生じた時に、銀行借入を行うでしょう。

 その場合、それまでに取引先が少人数私募債に協力しているならば、銀行側は当社が取引先に信頼されていると判断し、銀行の信用も高まり、融資の審査が有利になるでしょう。

 


(4) 他の社債や新株発行等の複雑な手続きは不要。費用も節約できます!

 例えば、少人数私募債以外の社債ならば、以下のような費用が発生してしまいます。

 
 i.社債を発行する際、社債券の印刷や印紙発行にかかる費用
 ii.第三者に社債を購入してもらうための募集費用や公告費用
 iii.社債管理会社に支払う社債管理費用


 しかし、少人数私募債は取締役会の承認を得ることができれば、発行について社内手続きで行えます。また、公官庁への届出などによる手続は不要です。

 さらに、、社債券を発行する必要も無く、購入者の住所や氏名、取得した日、金額を台帳に記載するだけでよいので、手続きは非常に簡便です。

 
(5) 決算等の公開の義務は不要!


 決算書類等の公開については株式の場合は必要ですが、社債の場合は不要です。

 但し、信頼関係を維持するためには、経営状態を株式の場合のように公開するのが望ましいでしょう。

4、少人数私募債を引き受けた個人のメリット

(1)預金より高い利息を安定的に受け取れる

 少人数私募債の場合、予め利息を支払う期日が定款(規則)で決められていますので、その期日に利息を安定的に受け取ることができます。

 また、安定した利息を受け取ることができる少人数私募債の利息は、一般的に預貯金の利子よりも高く設定されることになりますので、預金より多くの利息が受け取れます。

 
 これを株式の配当による場合と比較すると、株式の場合も配当を受け取れますが、株式の配当は企業の業績によって変わってしまいますし、利益が無ければ配当を受け取ることができません。さらに株価自体が変動しますので、高額の配当を受け取っても元金割れ、といった事態が起こりえます。

したがって、倒産しない限り、預金よりも高額配当を得つつ、元金も回収できるというメリットがあります。


(2)高額所得者には節税効果あり!

 少人数私募債の利息は利子所得に該当し、普通預金や定期預金の利息のように受取利息のうち20%徴収されて完結しますので、確定申告を行う必要はありません。(※所得の少ない人の場合においては、20%徴収の方が高い場合もあります。)

 これを他の場合の借り入れと比較してみましょう。

  例えば、資金力のある社長が会社にお金を貸付け、その見返りに利息を受け取るケースがあります。

この利息は少人数私募債と同じ利息ではないかと思われがちですが、実は税金面で大きな違いが生じます。

  このケースでは、役員が利息を受け取る時点では税金は徴収されませんが、「雑所得」となりますので、確定申告において所得に応じて課税されます。

 この場合の所得税の税率は最大で40%徴収になります。そのため、少人数私募債の利息は、所得の多い人には節税効果をもたらすことができるのです。


5、少人数私募債のデメリット

(1)社債権者が金融機関などを除く縁故者に限られるため、募集総額が限られます

つまり、あまりに多額な資金調達には向かないということです。

(2)基本的に無担保、無保証のため、発行会社の社長は熱意をもって詳細な事業計画を立案提示しなければ引受けに応じてもらえない場合もあります

ここが少人数私募債の1番のポイントになります。収支のしっかりした事業計画がなければ、私募債の募集には応じてもらえないでしょう。

(3)社債の一括償還のための返済分を積立ておくなど、会社として資金の自己管理が必要。

まあこれは当然といえば当然ですが、、、。

6、少人数私募債の発行手続き

i.取締役会(株主総会)等の開催
 
 取締役会(または株主総会)において社債発行(募集要項案)を決議します。

     ↓

ii.募集要項の作成

  取締役会(株主総会)等の決議に基づいて正式な募集要項を作成します。

     ↓

iii.社債申込証の作成
  
 作成した募集要項に基づいて、社債(少人数私募債)の購入を引き受けてもらう人に、購入の正式依頼を行い、社債申込証に記名押印をもらいます。

     ↓
 
iv.募集決定通知書の作成

 募集申込期間の満了を以て、集まった社債申込証の合計金額である、応募総額を計算・確定します。
 募集決定通知書を応募者に送付して、入金(社債金の払込)を依頼します。
 
     ↓

v.申込金の入金(社債払込金預り証発行)

 入金の確認後、速やかに各社債購入者(私募債引受権者)に社債払込金預り証を発行します。

     ↓

vi.社債券・利札の発行

  社債券(+利札)の紛失リスク及び印刷代及び社債券に貼付する収入印紙代を考慮して、場合により発行しないとすることも可能です。この場合、利払い期に「利払い通知書」を各社債権者に送付します。


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