株式譲渡制限会社設立の特典
<株式譲渡制限会社設立の特典>
会社設立する場合、重要なキーワードとなるのが
「株式譲渡制限会社」です。
「株式譲渡制限会社」とはすべての種類の株式に「株式を譲渡するときは会社(取締役会や株主総会)の承認を得ること」を必要とする会社のことをいいます。上場企業でない中小企業の場合に定めるのが一般的です。
これは会社にとって好ましくない人が株主にならないようにするためです。乗っ取り防止のためといいかえてもいいでしょう。
では、どうしたら「株式譲渡制限会社」になれるかというと、
『定款』中に「当会社の株式を譲渡により取得するには、取締役会(株主総会)の承認を受けなければならない。」と規定すればよいだけです。
簡単ですよね。
また、これは登記事項なので登記簿を見ればわかります。
新会社法で会社設立する場合はこの「株式譲渡制限会社」にすることによって通常の株式会社より要件が緩和されたり、特別な規定を設けることができるので、重要なキーワードになります。
では、新会社法における株式譲渡制限会社の特典は何でしょう?
1、株券発行不要の特典
新会社法では原則、株券は不発行となります。よって株券を発行する場合はその旨を『定款』に定めることが必要となります。
さらに「株式譲渡制限会社」は定款に株券発行の定めがあっても、株主からの請求がない限りは株券を発行しなくてよいことになっています。
2、面倒な株主総会の招集手続きの簡易化
株主総会の招集手続きは原則二週間前です。
しかし「株式譲渡制限会社」は原則一週間前、さらに有限会社からの移行による株式会社(取締役会非設置会社=取締役が3名未満)は定款の定めにより更に短縮が可能なため、例えば3日前とすることが可能となりました。
また、「取締役会非設置会社」は原則として、招集通知の方法を制限せず、口頭による通知など適宜の方法による通知が認められています。
3、役員は取締役1名でOK
有限会社においては役員は取締役1名でよかったのですが、株式会社は最低3名の取締役が必要でした。
このため、中小企業では役員に就任承諾してもらう人を探したり、親戚中当たってみたり、名前だけの役員になっているケースが多くありました。
そこで、新会社法では「株式譲渡制限会社」においては、取締役会(取締役3名以上)を設けず、取締役1名の株式会社とすることができるように改正しました。
4、役員の任期を10年まで延長可能にできる!
旧法では、取締役の任期は株式会社では原則2年、監査役の任期は原則4年でした。
しかし有限会社では無期限であったため、株式会社と有限会社で大きな違いがありました。
そこで新会社法では、有限会社のよさも取り入れ、「株式譲渡制限会社」については「定款」で定めれば、取締役、監査役、会計参与の任期を最長10年まで伸長することができるようになりました。
5、株主しか役員になれないという規定が可能!
旧法では株式会社の取締役及び監査役の資格について、『定款』によっても株主に限ることはできないとされていました。これは、公開会社など大会社が広く取締役の適材を求めるためのものと言われていました。
しかし、新会社法では中小企業の実態を踏まえ、「株式譲渡制限会社」については取締役及び監査役の資格に関する制限を撤廃しています。
つまり「取締役、監査役は株主でなければならない」と定款で定めることができるのです。
以上が株式譲渡制限会社の特典です。
なお、現行でも株式会社のほとんどが、譲渡制限の規定を設けています。
もし万が一同族会社などで譲渡制限の規定がなければ、早急に定款変更しておいてくださいね。
大阪・兵庫の会社設立・電子定款認証のお問い合わせは・・・・・
06−6375−2313 フロンティア総合国際法務事務所
まで!