・現物出資について
当事務所に寄せられた相談で、会社設立後に営業に使う車やパソコ
ンを現物出資や財産引受したいが、どうか?というのがあります。
現物出資や財産引受けする場合、定款に記載した現物出資や財産引
受けをする財産の価格が適正かどうか調査するため、裁判所の選任
する検査役の調査を受けなければならないのが原則です。
ただし、少額な財産であれば、検査役の調査を不要としています。
これは、万一の場合、取締役や発起人に責任をとらせれば済むから
です。
しかし、新会社法によって、この検査役の調査を必要としない範囲
が広がりました。
まず、旧法では、資本金の5分の1を超えず、かつ、500万円以
下の財産については、検査役の調査を不要としていました。
しかし、新会社法では、資本金の5分の1を超えない額という規制
を廃止して、資本金の額に関係なく500万円以下の財産について
は、検査役の調査を不要としました。
つまり、例えは資本金1000万円の株式会社を設立する場合は2
00万円を超えない額まで検査役の調査が不要であったのが、50
0万円を超えない額まで検査役の調査が不要になったのです。
これにより、現物出資や財産引受けを伴う会社設立が多くなると思
われます。
どうしても現金が確保できない場合、現物出資という方法も検討し
てみてはいかがでしょうか。