・銀行の払込保管証明書について
会社設立手続で意外と手こずるのが、銀行に払込金保管証明書を発
行してもらう手続です。
旧法では、会社設立登記の添付書類として、出資金が払い込まれた
ことを証明するため、銀行が発行した払込金保管証明書を添付する
必要があります。
この払込金保管証明書を銀行が簡単に発行してくれるかと思いき
や、取引がない銀行へ依頼すると審査が厳しく、発行してくれない
ケースや審査に長時間掛かるなど、迅速な会社設立の障害となって
いました。
さらには、会社設立登記が完了して銀行に設立後の登記簿謄本を持
っていくまで、払い込んだ出資金を引き出せない規定になっていた
ので、登記完了まで出資金を使うことが出来ず開業資金に困ること
もありました。
このようなことから新会社法施行後は、発起設立の場合は、払込金
保管証明書でなく銀行口座の残高証明書で代用することも可能にな
りました。
残高証明であれば、一定の手数料を払えば、すぐに簡単に発行して
もらえるので、手続が簡単かつ迅速になります。
もっとも、募集設立の場合は、今までどおり払込金保管証明書の添
付が必要です。残高証明書でいいのは発起設立の場合だけですので
ご注意下さい。